おまとめローンの審査に通過するコツは?

おまとめローンは複数の会社から借り入れしている場合、その複数の債務を1か所にまとめる借り換えローンのことを言います。ばらばらになっている借り入れを1つにまとめることで、金利や利息を抑え毎月の返済負担を軽減することができます。

 

現在消費者金融から借り入れできるのは「年収の3分の1までの金額」と定められていますが、これは2010年に設けられた総量規制という規制によるものです。
この総量規制により、複数の会社からの借入がありそれを返済するために新たに借り入れしようと思っても、総量規制に引っ掛かり審査に通らないというケースも多くなりました。

 

こうした問題を解決するために生まれたのがおまとめローンです。おまとめローンは「顧客に一方的に有利な借り換え」、つまりは総量規制の対象外となる貸し付けと決められました。そのためすでに総量規制の上限まで借り入れがあっても、消費者金融などから新規で借りれることができるようになりました。

 

おまとめローンで得になるケース

例えば消費者金融での多重債務に陥っている場合が得になります。複数の消費者金融から借入している場合、そのすべてが高金利での借り入れです。

 

消費者金融の大半は100万円以上の借入は上限15%、100万円未満の借入は上限18%という金利設定になっていますが、中小の街金などの中には19%、20%という金利で貸し付けているところもあります。

 

また1社で100万円以上の借入ができるケースはまずないため、複数の消費者金融から借り入れている人の大半は18%という高金利で借り入れていることになります。

 

このような場合は銀行のおまとめローンを利用すれば金利を14%くらいにまで下げることができるため、金利も毎月の返済額も抑えることができるため、返済総額も低くできる可能性が高いでしょう。

 

また今の借入の金利を平均した時、おまとめローンを利用することでかなり金利を下げられるならば、おまとめローンを利用したほうが得になります。銀行のカードローンの上限金利は平均で14.5%ほどですが、審査結果によっては10%以下で貸し付けてくれるところも中にはあります。

 

ですから消費者金融ではなく複数の銀行から借り入れがあるという場合でも、審査次第では金利がかなり抑えられる可能性もありますので、そのような場合は積極的におまとめローンを利用してもよいでしょう。

 

おまとめローンで損してしまうケース

こうしてみるとおまとめローンを利用しない手はない!と思う人も多いかもしれませんが、実はおまとめローンは上手に利用しなければ逆に損をしてしまうことも少なくありません。ではどのような場合、おまとめローンで損をしてしまうのでしょうか?

 

おまとめローンにより逆に金利が高くなってしまう

ショッピングやマイカーローンなどの借り換えにより、実は逆に金利が高くなってしまうこともあります。

 

おまとめローンでは消費者金融か銀行カードローンのどちらかを利用するわけですが、ここで気をつけなくてはならないのが金利の差です。

 

消費者金融の金利はおよそ15〜18%、銀行カードローンでは14〜15%が相場であり、消費者金融のほうが高めに設定されています。消費者金融では利息制限法という法律により、「100万円以上の借入の利息は上限15%まで下げなくてはならない」と決められていますが、それ以下のおまとめの場合18%の金利が適用されるのがほとんどです。

 

これに対してショッピングやリボ払い返済のローンなどの金利は大体10〜15%ほどです。

 

そのため消費者金融でおまとめローンを利用してしまうと逆に金利が高くなってしまうというわけなのです。

 

銀行のカードローンでまとめても同じです。消費者金融に比べれば多少金利は低いですが、まとめても金利は同程度かむしろ高くなってしまいます。
金利が高くなれば当然利息は増えますから返済総額も多くなり、結果として損をしてしまうことになります。

 

ですからおまとめローンを考えている場合は、まず今の借入状況を正確に把握することが大切です。そのうえでむしろ金利が高くなるようであればおまとめローンを利用するのはやめたほうがよいでしょう。

 

「金利が低い=返済総額が少ない」は間違い

では金利が低くなれば必ず返済総額を少なくできるかと言えばそうとも限りません。おまとめローンで1つにまとめた際に返済負担を減らした場合、返済総額が逆に多くなることもあります。

 

例えば3社からの借入があり、それぞれ毎月2万円ずつ返済していたとします。これを1つにまとめて毎月の返済額を5万円にしたとすると、毎月の返済金額は1万円少なくなります。しかしその分返済期間が長くなるため支払いに伴う利息は多くなりトータルで見ると損をしてしまっているというケースは少なくありません。

 

ただこの場合も、総額返済が多くなってしまうことは覚悟の上で、ブラックリストに載ってしまうなどのトラブルを避けるためにひとまず他社からの借入を返済したいというのであれば、おまとめローンを利用する価値はあるでしょう。

 

しかし毎月コンスタントに返済できているのに「1つにまとめて少しでも得になれば」という安易な考えからおまとめローンを利用するのはやめたほうがよいでしょう。
そのような状況でおまとめローンを利用して得をすることはまずないため、1つにまとめる必要はありません。

 

債務の全額を借り換えできないケースも

実はおまとめローンでは、審査に通りさえすれば全ての債務を1つにまとめられるというわけではありません。たとえば借り入れの総額が50万円以下など少額である場合は、借り換えの審査に通れば全額借り換えすることも可能です。しかし借入総額が200万円などと高額の場合、債務を1本化できず一部の借入に対しての借り換えしか認められないケースもあるようです。

 

たとえ一部だけの借り換えであっても、それで金利を下げられるのであれば借り換えしたほうが良いでしょう。しかし金利がそれほど変わらないようであれば借り換えしてもそれほど得にはなりません。むしろ面倒な手続きが必要になるだけです。

 

おまとめローンの審査に通りやすくするには?

おまとめローンを通りやすくするためには次のようなポイントがあります。

@申し込みの際に資金用途をきちんと説明する

実はカードローン会社の大半は「おまとめローン」という商品を取り扱っていません。なぜならおまとめローンはすでに複数のところからの借入がある人のための商品であり、その分貸し倒れのリスクも高いため積極的にあまり宣伝しない傾向があるからです。

 

このようにおまとめローン専用の商品を前面に打ち出していない中でおまとめローンを利用する場合、まずは資金使途が自由な新規貸付枠で貸し付けを行い、その貸し付けで他社の債務をまずは返済するという形がとられるのが一般的です。

 

要するに、例えば100万円の債務を1つにまとめたい場合、新たに100万円を貸付してその100万円で先に他社の債務を返済してもらうというわけです。ですからその段階では200万円の借入をしていることになるわけです。

 

この時年収が400万円であれば普通200万円の借入をすることはできませんが、資金使途が「債務を一つにまとめるため」であることから、総量規制対象外での貸し付けが行われることになります。ですから新規貸付の申し込みをした後には、審査担当者に債務を一つにまとめるための資金であることを電話できちんと説明することが大切です。そうしなければカードローン会社としても総量規制対象外での貸し付けができないため審査に落とされてしまいます。

 

Aおまとめローン専用商品を活用する

「大半のカードローン会社ではおまとめローン専用の商品は取り扱っていない」と説明しましたが、それでもゼロというわけではありません。例えばアイフルの「おまとめMAX」は、債務を1つにまとめたいという人に対して総量規制対象外での貸し付けを行ってくれます。

 

ただし公式サイトから申し込みをする場合は、この「おまとめMAX」についての説明がありません。そのため申し込みフォームの利用目的欄に「他社債務の借り換え」などと記入し借り換えを目的の資金調達を希望している旨を伝え、その後の本人確認の電話でも再度借り換え目的であることを伝える必要があります。

 

オリックス銀行のカードローンも「おまとめ・借り換えOK」と公式サイトで謳っており、申し込みフォームにある「利用目的」のところで「借り換え」を選択するだけでOKです。借り入れの限度額も最高で800万円とかなり高額なうえ、下限金利も1.7%と低く設定されているため特に高額での借り入れを希望している人にはオススメだと言えます。

 

その他東京スター銀行にもおまとめローンがありますが審査が通りにくいと言われており、申告内容に間違いがあったり過去半年以内に3社以上にローンを申し込んでいるという場合はまず審査には通りません。また現在他社からの借入を滞納しているという場合も必ず審査には通りません。

 

 「審査に落ちない」というよほどの自信があれば東京スター銀行のおまとめローンを申し込んでも良いかもしれませんが、そうでなければ慎重に選ぶ必要があります。
自信もないのに申し込んで審査に落ちてしまうと、「東京スター銀行のおまとめローン審査に落ちた」という情報が個人信用情報に記録されてしまい、結果として他のおまとめローンの申し込みにも悪影響を与えかねません。

 

また積極的に宣伝をしていなくても、実はその他の金融機関でも申し込むことはできます。例えばプロミスやアコムなど大手の消費者金融でもおまとめローンは可能です。

 

ただしどちらもインターネットでの申し込みはできないため、店頭や電話、無人契約機での手続きが必要になります。
また宣伝に積極的でないところはそれだけ審査も厳しいとも言えますので、できれば借り換えに積極的な金融機関もしくは消費者金融で借り換えするのがオススメです。

 

オススメのおまとめローンは?

先程いくつかのおまとめローンを紹介しましたが、中でも特にお勧めなのが「アコム」です。「貸金業法に基づく借り換え専用ローン」を提供しています。

 

複数の消費者金融から借り入れがあるという場合は、オリックス銀行でおまとめローンにしたほうが金利も月々の返済額も少なくできる可能性が高いと言えます。
オリックス銀行のカードローンには保証会社が2つあります。1つはオリックス・クレジット株式会社で、もう1つは新生フィナンシャル株式会社です。審査の際にはこの両方から審査されます。

 

「2つの会社から審査されるなんて厳しいのでは?」と思う人も多いかと思いますが、実はその反対で、たとえ一方の会社の審査に落ちてももう一方の会社の審査に通れば借り入れができるため、それだけ審査が通りやすくなります。これは借り入れする人にしてみればとても大きなメリットだと言えるでしょう。
ただし2つの会社が審査を行うため、審査には少し時間がかかります。

 

そのため即日融資を希望している人には不向きだと言えます。ですからオリックス銀行でおまとめローンを利用したい場合は、日数に余裕をもって申し込みすることが大切です。

 

三井住友銀行カードローンにはおまとめ専用の商品はありませんが、申し込み時に記入する利用目的欄に「借り換え」と記入するだけで借り換え目的での借り入れが可能です。銀行のカードローンの中でもかなり低金利であるほか、三井住友銀行の口座がなくても申し込みができるため大変便利です。

 

また三井住友銀行カードローンは即日融資にも対応しており、早ければ30分で審査が完了します。ただし借入額が高額な場合、即日融資ができる可能性は低くなるため申し込みは余裕を持って行うのがオススメです。